現状維持と進化の腑分けの重要性

物事が上手くなること。

上達すること、これは特にスポーツや楽器などの限られた分野についてだけを指しているのではありません。

他にも、洋服の縫製や接客、交通機関の利用に関してや暗算、料理、模型作り、車の運転、ワインのテイスティングなど、ありとあらゆることに対しての考え方や技術の発展についてを意味しています。

論理的には、‘その中に繰り返しの行為を含む‘ 事象を指す、ということになるでしょうか。

ですから、上記以外のことでも、この行為の存在するものは、少なからず上達という概念があると考えられます。

★あなたにも必ずあると思います

何でもかまいません、例えば交通機関の利用に関してで言えば、最寄りの駅から、大手町で催されるイベントに行きたいとしましょう。

まず、目的地に到着するべき時間から逆算して、最寄り駅まで自宅から何分、その駅から高田馬場まで何分、高田馬場から大手町まで何分、そして大手町から会場まで何分、と路線図を見ながら切符を買い、あるいは今ならアプリを使ってルートを割り出し、その指示の通りに進んで行くのではないかと思います。

このすべての行程は、一見すると何気ない行為のように感じられると思いますが、こういったことをやり慣れていない人が、ひとたび同じことを試みると、とんでもなく面倒くさく、わかりにくい作業になるわけです。

路線図の見方にも、アプリの使い方にも、ある程度の慣れが必要ですし、電車のどの車両に乗るかによって、改札までの時間のかかり方が変わってきます。

「そんなこと当然でしょ」と思われる方もいると思いますが、それはこの行為に慣れているからで、普段からあまり電車で移動していない人にとっては、えらい難儀なことになります。

このように、電車の移動ひとつとってみても、それを繰り返しの中で覚えてきた人と、そうではない人では、かなり差があるわけです。

これは、電車の乗り方について繰り返すことにより、その乗り方が上手になったと見ることができると思います。つまり上達したと言えるわけです。

最初にお話しした、いろいろな分野について、出来ない状態からそれが円滑に出来る状態へと変わっていくことです。

★上達へ至る二つの側面

今まで述べたことは、物事が上達するための、‘その中に繰り返しの行為を含む‘事象についての在り方でしたが、上達にはもう一つの側面があります。

それは、今の段階からその上の段階へ上がる、ということです。

多くの方が、繰り返しの行為の結果、獲得した状態を、そのまま維持しようとします。
もちろんこれはこれで良いんです。むしろ慣れていることをいちいち変えてしまうと、かえって面倒なことの方が多いですよね。

ですが、この変えてしまうことが面倒ということを、学習やスポーツ、子育てや資格試験などにそのまま適用してしまうと、こういった分野では望む結果を出しにくくしてしまいます。

ひとつ留意しておくことは、この繰り返しという行為の中には、現状を維持しようとする働きがあることです。

多くの場合、いったん出来上がった慣れた行為は、そのままの繰り返しを維持して使っていって問題がないものです。

ですが、これは、ある結果を出したいという意図のもとに、物事を上達させていく行為とはまた別に考えていく必要があります。

★結果を出すには

まず、何らかの練習をする際には、そこにとりあえず必要な概ねのことがひと通り出来るまでをざっと行い(ここでかなりの時間を要することは理解しておいて下さい)ある程度できたら、その状態をそのままにせず、すぐその上のレベルを目指し、少しハードルを上げて挑戦していく。

一見すごくシンプルですが、この上達する行程の現状の維持は決して侮れるものではなく、場合によっては、ここであきらめていく人も多く存在するほどの期間になります。

心持ちとしては、‘何でも良いので理想の結果だけを追い求めて先に進む‘ が表現としてはちょうど良いと思います。

そして歩みが進み、今までと少し違う風景が見えてきたら(自分で「あれっ ちょっと今までと違うな」と感じる時がきます)その段階で、改めてレベルを上げていきます。

もちろん、ここまでのことは平坦な道ばかりではないと思います。

しかし、上達への過程を少しでも知っていただけたあなたなら、ひたすらその道を突き進み、きっと望の世界を実現できるはずです。

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