大きく動き出すことは意外と地味に始まる

こんにちは 坪井です

何か新しいことを始める時、あなたもこんな経験をされたことはないでしょうか

ヨシ!やってやる!

絶対に成功してみせる!

必ず目標を達成する!

などの言葉を連発したことを。

誤解なきよう付け加えると、こういった言葉を使うことは決して悪いことではありません。

むしろ、目標やゴールに向かう歩みが停滞している時期であれば、その行動を起こし自分を奮い立たすことのできる言葉だと思います。

特に、初めてビジネスを立ち上げる時や、まったく新しい勉強を始める際には、自分に対してこのような言葉を使うことは、むしろしっかりとした歩みを維持するトリガーとして機能させることが出来るはずです。

★気合いを入れるとしぼむ?

ですが一方で、こんな経験もされたことはないでしょうか。

これを絶対に実現してみせる! と意気込んだにもかかわらず、その意気込みが日を追うごとにみるみる無くなっていったり、気合いとは裏腹に、全然やる気が持続しなかったり…

いや、やる気が持続しないのはまだましで、逆に気合いを入れれば入れるほど、ゲームをしてしまったり、友達と遊びに行ってしまったりした、なんて経験もしたことはないでしょうか?

実はこの「よっしゃ」と気合いを入れて始めたことに限って、意外と早く失速したり、あっさりと断念してしまったりするんです。

その答えは簡単で、その気合いそのものが自分に無理を強いているからです。
動かし難いものを無理矢理動かそうとするからなんですね。

もちろんこれには個人差があります。

ある人は、この気合いを入れてから何ヶ月もの間がんばれる人もいるでしょうし、文字通り本当に3日間の三日坊主で熱が冷めてしまう人もいます。

しかし、これはある意味当たり前の話で、どんなに忍耐強い人であっても、動かし難いものを動かそうとするには、大変な力が必要になるからなんです。

ここで言う動かし難いものとは、つまり人間の心の状態のことを指しています。

★食事や散歩と同じくらいのこと

あなたがコーチングを学んでいるのであれば、これがコンフォートゾーンが存在するために起こっていることだとすぐに分かると思います。

ですが、そういうあなたであっても、たとえばコーチとしてビジネスを始めたいと思った時、この‘ビジネスをする‘という特別な意識の前に、いつもと違う心境になったりする可能性も無くはないのです。

これは、決して脅しや、重箱の隅をつつく話しているのではありません。

何かを始める時、それがその人にとって重要であればあるほど、それを始めた途端に他のことが見えなくなることは誰にでもあり、コーチやカウンセラーの方でさえ、これについて例外ではないからです。

あなたがこれからコーチとして真剣にコーチングをビジネスでやっていこうと思っているようであれば、いち早くこのことに予防線をはっておくといいと思います。

つまり、「自分はコーチではあるけれども、その自分をしても、あることが見えなくなることがあるんだな」ということをわかっておくということです。

特に、コーチングをまだ知識としての段階のまま扱っている状態で、理論は知っていても、これを体感していない、という方もいらっしゃる思います。

また、ここで話しているスコトーマのように、知っていて体感もできているのに、人間の認識の原理上、どうしても回避できないものもあり、さらに言えば、知っていることと、実際体験していることが同じことであるにもかかわらず、それを結びつけられていないということは普通に起こりうることです。

ある認識は、ある範囲内においてのみ‘完全に‘成立している。
自分の認識はその範囲内では完全であるが、同時にそれは常に不完全であることを認識しておく。

たとえばスコトーマについても、このような見解を常に持っておき、常に自分自身の日常で起きている普通の現象としてわきまえておくことが必要です。

こういったこと踏まえて、それではどうのように、あなたにとっての新しいことや、目標やゴールに向き合えばよいのでしょう。

それは、これから向かって行く未知のことを、普段しているその他の作業や動作と同じレベルで扱ってみる、ということです。

あなたの目標やゴールを、日常のすべての行いとあえて同じような感覚で捉えてみるのです。

別の言い方をすれば、今は実現の難しそうな目標でも、その目標の中に含まれるいつでも簡単に始められそうなものを見つけて、そこから始めてみる。

そんな感覚だと思ってみてください。

何気なく始めてみる感覚、と思って頂いても構いません。

この感覚は、あなたが普通に食事をする時や、ふらっと散歩に出かけるくらいの軽い感覚ですね。

★何気なく始めることの効用

これは、物理的な肉体面にも、精神的にも目標に対峙している時の負担を軽くする効果があります。

何気なく始めるので、負担を感じないのは当然ですね。

肉体的には、ほとんど力を入れない。
精神的には、気負わない。

この感じです。

これが、食事をすることや散歩をすることと同じくらいのこと、ということになります。

実際には、人間の肉体も精神も一つなわけですが、新しいこと、目標やゴールに対して、ほとんど力を入れずに気負わないで取り組むことのできるメリットは大きいです。

肉体的な面では、体力の消耗を防ぐことができること。
精神的な面では、気疲れによる消耗を防ぐことができること。と言えるでしょう。

特に、精神的な面では、目標やゴールに対しての新たな考えや行動は、現状のあなたにとって異物以外の何ものでもありません。

しかし、その異物であるはずの新たな考えや行動が、ひとたび何気ないレベルにまで下がった時、本来ならプッシュバックではね返されるようなアイデアでも、比較的スムーズにあなたのマインドに受け入れさせることができるのようになるのです。

こう言うと、何か自分以外のものに大事なことを請け負わせるように受け取られるかもしれませんが、あなたの思い込み(ブリーフ)が決してあなた自身の手によるもののみで出来上がったものでないことを考えれば、新たな要素を含んだゴールがあなたのブリーフに馴染みにくい現象が、すべてあなたの責任であるとは言えないのです。

このことから、そもそもプッシュバックが起きること自体、あなたにとってほぼ不可避であることを理解して頂けると思います。

そういう性質を分かった上で、目標を実現するための何か新しい事を少しだけ始めてみるのです。

そう、少しだけ始めてみる。 先ほどの何気なく始めてみる感覚のことです。

これにより、その新しい事の意味と価値自体を、今のあなたのブリーフに対して、何となく馴染ませることができるようになります。

あなたのブリーフが、新しい事の存在に対して抵抗しなくなるのです。
それがゴールに向かって進み始めていても、その新しい事は、現状の一部の些細な変化にとどまっているかのように思えるからです。

そしてこういった状態は、はたから見ていると、とても普通で、あまりにも小さいことから始まっているかのように見えたりします。

でも、あなたにも経験がありませんか?

あなたが、以前から接していた人物で、特別何かの才能があるとは思えなかった人が、いつの間にか仕事や趣味の分野で信じられないくらい成長していたり、驚くような成果をあげたりしたことを…。

しかしこういった現象は、今までお話ししてきたことを、人知れず実行した人に実際に起こりうることなのです。

★大事なことなので確認です

ここまでを要約すると、あなたが何か目標やゴールを作った時に、あなたの現状のコンフォートゾーンの強力なフィードバックの影響を少なくして、それを達成していくためにあえて小さく動き始める、というお話をしてきました。

それは、コーチであるあなたなら、「なーんだ」と思うようなことだだったかもしれません。

要は、今の自分のコンフォートゾーンから、地味に外側にゆっくりと出ていけばいいんだろ、と、そう思われたこととおもいます。

ですが、ここで一つ、あなたが忘れかけているかもしれない超大事なことをお伝えします。

それは、あなたの作った目標やゴールは、すでに今のコンフォートゾーンには無い、ということです。

「え? それは当たり前でしょ、現状の外側なんだから… 。 ん?でもゴールの一部ではあっても、それを日常のレベルと同じレベルとして扱うんじゃ… ないんだっけ? え?なんか矛盾してない?」

そう思われるのはごもっともです。

でも、これも思い出して下さい。

あなたがゴールを達成してく過程では、あなたのコンフォートゾーンそのものも上げていく必要があることを。

あなたの日常の考え方や行動に、ゴールへ至るであろう要素を取り入れていく最中に、あなたのコンフォートゾーンのレベルも、ゴールそのもののレベルに近づいていくことを計算に入れておくのです。

これは、エフィカシーを上げていくことで実現していきます。

ご存知の通り、エフィカシーをあげることは、同時にコンフォートゾーンをあげることになります。

つまり、今までお伝えしてきたことは、あなたがゴールに向かっている時、同時に日常全般のあなたの行為すらも、そのレベルを上げていく、ということになるのです。

レベルというのは、あなたの考えうるあらゆることを指します。

これは、あなたのブリーフそのものが変わっていくのですからある意味当然のことですね。
しかしその変化の位置は、あなたの現状の周辺ではありません。

ちょっと上とか、少し横に移動するということではないんです。
これが、つまり現状の外ということです。

要するに、ゴールを達成しようとしていく過程で、あなたは気が付かないうちにあなた自身とあなたを取り巻く環境の見方そのものまでも変わってしまう、ということになるのです。

いかがでしょうか。

これまでお伝えしてきたことは、決してステップバイステップでゴールを達成していく、ということではありません。

目標やゴールを設定するのは、あなたの現状の外側であることに変わりありません。

しかし、あなたの現状のコンフォートゾーンが一気に変わることにどうしても抵抗があるようであれば、ゴールに対しての一見小さな歩みである変化から始めてしまうのも一つの手であるのです。

その過程において、ある時は一気にゴールに到達することもあるでしょうし、場合によっては、ちまちま進んでいるようにしか見えない状態になることもあるでしょう。
あるいわ、こういった形の違ういくつかの進み方が同時に進行しながら、いつの間にかゴールを達成してしまっていた、ということだってあるはずなのです。

世の中では、とても大きなゴールを実現している人が何人もいます。

ですが、こういった人達の中でも、普段から普通の仕事を普通にしているようにしか見えない人がいたりします。

でも、そういった人たちは、大きなゴールを達成するために大きく行動することは、実は極めて小さなことから始めた方がよいことを、感覚的に知っているのかもしれません。

人によって、ゴールの内容は違うと思いますが、もしあなたが、これからビジネスを始めていこうと思われているようであれば、今回のお話を少しでも参考にして頂けると嬉しいです。

いつでもあなたの夢の実現を心からお祈りいたしております。

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