こんにちは 坪井です
コーチングを学んでいる方の中には、コーチングは一体誰のためにするものなのかと、ふとした瞬間に疑問に思われることがあるようです。
それは、自分のためにするのか、人のためにするのか… というものですね。
このことを理解しておくことは、コーチングを知る上で重要ですので、今回は、コーチングは誰のためにするのか、ということについてお伝えしていきたいと思います。
⭐︎2種類のコーチング
コーチングには2つの方法があります。
1つは人に対するコーチング。
あと1つは自分におこなうコーチングです。
これら2つのコーチングについてご説明したいと思います。
加えて、コーチングを学ぶということは、人や自分にコーチングすることと、その理論や知識を学ぶことの両方を含んでいることでもあります。
⭐︎人に対するコーチング
これは文字通り、自分以外の他人に対するものです。
一般的には、コーチとクライアントがいて、コーチがクライアントに対して実施していくものになります。これは通常、プロのコーチがおこないます。
プロのコーチの方でも、お金をもらわないですることもありますし、コーチングも、それとは分からないようにすることもあります。
恋愛や人生相談をにのった時、会社で上司が部下に対してアドバイスをする時などが多いでしょうか。いずれも、受ける側が、コーチングとは気付かないものになるということですね。お金をもらわないでするものはボランティアになります。
また、一定人数でおこなうものでグループコーチングというものがあります。
これは、グループでお互いにコーチングし合うものです。多人数に対して一度にコーチングするものも、他人に対するコーチングになります。
⭐︎自分にするコーチング
自分にするコーチングは、いわゆる‘セルフコーチング‘ということになります。
コーチにセッションしてもらうのではなく、自分で自分にコーチングをすることです。
たとえば、自分自身のゴールや目標があるときや、悩みなどを解決したいときに、自分に対してコーチングをします。
⭐︎コーチングは誰のためにおこなうのか?
よく、「コーチングは誰のために使うのですか」と聞かれることがあります。
それは、“人のためであると同時に自分のためでもある”と、私は考えています。
その上で、コーチが「人のためにコーチングを使っていく」ということを自分のゴールにしていることも多いです。 あなたがコーチであれば、やはりそうだと思うのです。
そうであるならば、人にコーチングすることでその夢の実現を叶えてあげること、それ自体が自分のゴールだという意味で、コーチ自身が自分にコーチングを使っている、ということになるのだと思います。
こういった意味で「自分のゴールのためにコーチングを使っていく」のがコーチングだ、ということになるのでしょう。
コーチも一個人として自分の人生を背負った人間です。
このようなことから、コーチングを学んで何のために使うかと強いていうのであれば、それはやはり自分のゴールを達成するために使うことであるということになります。
これを理解するためには、”自分”について少し知る必要があります。
なぜなら、自分のためにコーチングを使っていくというのは、結局、自分の利益のことしか考えていないようで、「なんか自分勝手じゃん、それ」というふうに思ってしまう人もいるかもしれないからです。
ですから、その“自分”をよく知ることにより、本当はどういった意味であるかがわかっていただけるのではないかと思います。
⭐︎コーチングは自分のためにおこなう
これは、”自分”を定義してみる、ということになります。
自分とは… (鏡などを見ながら)これが自分です」。 では定義していることにはなりません。
これでは、文字通り鏡を見たまんま、これが自分。とただ表明しているに過ぎないからです。
そうではなく、あなたの友達や親、関わり合いのある何かから、あなたが‘他のもの‘として表現されて、初めて成立するのです。
たとえば、どこどこの学校に通っている、何々の会社に勤めている、国籍はどこで、こういう父親と母親から産まれ、今の住所はここで、とかの当のあなた以外の要素からあなたを導き出すことです。
そしてこうなると、”自分”は自分以外のものでできていることがわかります。
これは、ちょっと俯瞰すると、自分と他人とを区別して扱うことができない、と考えることができるのです。
自分を導き出す時と同様に、他人である誰かを導き出そうそすれば、少なからず自分も関与せざるを得ないからです。
このことから、人のために何かをするということは、自分のために何かをするというのと同じことだとわかると思います。つまりここから、コーチングを誰のために使うかといったら、それは自分のためでもあり、人のためでもあると言えるのです。
これが、コーチングの正しい理解になります。
⭐︎コーチングは人のためにおこなうという誤解
コーチングを人のために役立てましょう。 という理念はあります。
これは一般的に正しいと思います。
しかし前述した考え方に照らし合わせてみると、その中に、コーチである自分自身は入っているのか? ということです。
これは、コーチ自身をおざなりにしてはいけない、とか、人の役に立ちさえすればそれで良い、とかを言っているのではなく、そもそも自分と他人とは、分け隔てることはできないから、ということです。
自分のゴールの中には、他人も含まれているというのが正しいゴールの捉え方です。ですから自分のゴールを作り、それを目指すということは、最初から人のためでもあるし、自分のためでもあるということなんです。
だからこそ、ゴールはできるだけ高く設定し、そして視点をなるべく上げていきましょう、ということになるわけです。
⭐︎自と他の直接的同一において
コーチングは誰のためにするのか? それは自分のためでもあり、人のためでもあることがお分かり頂けましたでしょうか。
自分を人と区別しない、言い換えれば、自分は他人であり、他人は自分である、ということです。 このことを弁証法という学問では、‘直接的同一‘と言います。
自分自身を、自分対他人、という媒介的な関係性で捉えると同時に、自分は他人でもあるという直接的同一としての見方です。
コーチングは、人に対してするコーチングと、自分にするセルフコーチングとがあります。
どちらも、自分・他人両者のためにあるのです。
そもそも、自分と人とを分けて考えることはできません。
自分を定義すれば、自分以外のもからしか説明できないからです。
自分のためではなく、人のためにコーチングをしていきましょうというのは、少し不自然な状態だと思いませんか?
コーチングしていくのであれば、自分と人とを分けて捉えることなく、どちらも同じように扱っていく必要があります。
そうすることで、コーチングのことをもっと正しく理解することができるようになるのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたの夢の実現を心から応援いたしております。
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